「新しい東北」先導モデル事業
復興庁「新しい東北」先導モデル事業の内容
食とエネルギーの循環を活用した戦略的農業ビジネス展開事業(福島県伊達市霊山町小国地区)の活動計画をご紹介いたします。取組は4つからなり、
【取組1】小国ブランド農産物栽培事業:樹皮培地等による作物栽培(放射能汚染回避) エネルギー作物(飼料米、菜種)試験栽培
【取組2】小国ブランド加工食品製造事業:地元食品加工会社との新製品共同開発、有機大豆製品開発
【取組3】エネルギー燃料・肥料事業:農産物および加工食品工場残渣のメタン発酵によるバイオガス製造と消化液の液肥利用
【取組4】農事組合法人設立事業
です。詳細は新しい東北をご参照ください。なお復興庁支援は取組1〜3です。支援期間は平成25年10月から平成26年3月までです。
●2014年度福島シンポジウム「専門家の支援によるメタン発酵エネルギーによる地域再生」というテーマで講演 (2015年3月1日)
3月1日(日)、「福島の原発災害からの生活・地域の協働再生の途を探る」というテーマのシンポジウムが福島県青少年ホールにて開催されました。このシンポジウムを主催したのは農村計画学会で、2012年から5年間に亘る科研費による取り組みです。シンポジウムの第1部は、「被害実態と再建・再生の途」、第2部は、「主体と手法の新たな協働再生の展開」というテーマで報告や講演がありました。第2部は、「かーちゃんの力・プロジェクト」の大黒太郎氏、飯館村・匠塾の菅野哲氏、霊山プロジェクト現地代表の大沼豊氏(題名は、「専門家の支援によるメタン発酵エネルギーによる地域再生」)、会津電力株式会社社長の佐藤彌右衛門氏の4人の方から取り組みの発表がありました。また、第3部は発表者全員によるパネルディスカッションで今後の課題などの意見交換がありました。シンポジウムの参加者は約50名で、学会の会員だけでなく一般市民も参加していました。
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第2部で講演発表中の大沼豊氏 |
第3部で発言中の大沼豊氏 |
●新しい東北」官民連携推進協議会(2015年3月7日)
復興庁の「新しい東北」として数々の取組みを進めておりますが、地元名産の発信活動として、3月7日小国地区交流館で、料理研究家国分喜恵子先生の指導による料理教室が開催され地元の主婦が総出でさんまの大豆まぶし焼き、大豆とごぼう入り肉そぼろ他(写真上段左)を、埼玉県小川町から戴いた青山在来の大豆を霊山で栽培したもので調理し参会者で美味しく戴きました。その後「顆粒大豆その不思議な力に魅せられて」の講演(写真上段右)もして戴きました。
次に柳川町の白根里つくり推進協議会引地弘一様によるモロコシ作りの講演があり、モロコシの生産、それを応用した食品の苦労話があり(写真下段左)、大いに参考となりました。
また、NuSAC代表の常盤井守泰様の柿の木幹巻き除染の中間報告が講演がおこなわれました(写真下段右)。
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●「新しい東北」官民連携推進協議会(2015年2月9日)
2月8日に仙台サンプラザホテルにて、復興庁の「新しい東北」官民連携推進協議会の平成26年度第3回「会員交流会」が開催され、当協会が霊山プロジェクトのこれまでの活動成果をブースでの展示と発表を行いました。青トマトピクルス、青トマト醤油漬け、なつはぜジャム、なつはぜパウンドケーキ、なつはぜ酒、もろこしクッキーなどを出品し多くの来場の多くの皆様に試食して戴きました。
とても美味しい!こっちの方がいいね!もっとこうしたらよいのでは!まだ販売していないの?ネーミングしてあげる、意匠デザイン協力するよなどなど多くの評価、ご指摘を戴きました。これらの意見を踏まえ商品化に向けてさらに活動して行きたいと思います。
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●バイオガスのハウス暖房利用実験報告
(2015年2月5日)
現在、サツマイモ、ソルガム(モロコシ)、廃グリセリン (廃食油からディーゼル燃料を製造する際の副産物)などのメタン発酵試験を行っており、その際に発生したバイオガスを燃焼させてハウス暖房に利用する実験に取り組んでいます。
ビニールハウスの外部左側に燃焼用のステンレス窯が設置(写真1)されており、ここで発生した熱い空気がアルミ製のダクトの中を流れます。このアルミ製ダクトは、ハウス内の小さなビニールハウスに置かれたプランターを囲うように取り付けられおり(写真2)、プランター中の培養土の地温を上げる仕組みです。とくに、コンクリート製プランターは日中温めておけば夜間の冷え込みにもかなり有効と思われます。
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ビニールハウス外部に設置されたバイオガス燃焼装 |
プランター周囲に配置されたアルミ製ダクト |
コンクリート製プランターで栽培されるイチゴの苗 |
●エネルギー作物、デントコーンの収穫をしました (2014年8月31日)
メタン発酵用エネルギー資源作物として栽培している飼料用トウモロコシ、デントコーンの刈り取りとそのサイレージ袋詰作業を行いました。デントコーンは栽培にかかる手間が比較的少なく、生産者の負担の軽減も期待されます。このデントコーンは青狩りして収穫後にサイレージ(乳酸発酵)させ、発生したメタンガスを燃料に、発電機を動かして発電します。刈り取り作業は、短時間で終了しましたが、サイレージのための粉砕が大変でした。幸い下小国地区協議会メンバー大波様がお持ちのエンジンタイプ粉砕機をお借りすることができ、2台の粉 砕機を使って何とか午後2時近くに終わりました。1立米くらいの フレコンバッグ4個分のサンプルができました。
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●メタン発酵設備の整備が進んでいます (2014年7月26日)
このメタン発酵設備は、発酵槽(容量500L×2基)とガス貯留槽(容量500L)から構成されています。発酵槽内には長さ20mのチューブが入っており、建屋屋根に設置した手造り温水器(容量160L)内の温水が循環して発酵槽内を加温します。冬期には、室内の暖房用ストーブで沸かした温水を循環させて加温します。発酵用原料としては、近隣畜産農家の畜糞とエネルギー資源作物として栽培中のデントコーンを用いる予定で、種汚泥として下水処理消化汚泥(山形市浄化センター提供)と牛糞(伊達市霊山町畜産農家提供)を混合(混合メタン発酵)したものを準備しています。この発酵試験には野池達也・東北大学名誉教授および姫野修司・長岡技術科学大学准教授からご指導を頂いています。
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●第2次寺子屋教室・・・バイオマスのメタン発酵技術とFIT
(2014年3月15日)
当協会主催の第2次寺子屋教室が3月15日、福島県伊達市霊山町の山下公民館で開催されました。講師は、一般社団法人地域環境資源センターの岡庭良安博士。「バイオマス(有機資源)のメタン発酵技術と固定価格買取制度(FIT)」と題し、約2時間にわたり講演及び質疑を行いました。過去4回にわたり第1次寺子屋教室で実施してきましたメタン発酵技術のレビューとともに、注目のFIT制度の現状と課題について、詳細な説明が行われました。
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今回の寺子屋教室には、研究者、行政、地元農家、技術者など特に関心の高い方々約20名が参加されました。メタン発酵施設でのFIT適用は現在までに12件にとどまっている現状を打開するにはどうしたらいいのか。メタン発酵そのものを普及していくにはどうしたらいいのか。これらの問題について、国内外の事例を中心に熱心な議論が展開されました。今後、霊山プロジェクトにおいても、メタン発酵技術の展開を考えていますが、地域の方々の理解、市との協力などが普及のポイントとなってくることを改めて考えさせてくれた寺子屋教室になったと思います
●平成26年度 復興庁「新しい東北」先導モデル事業に継続選定
当協会の福島県伊達市霊山町での復興支援活動が評価され、平成25年度に続き、復興庁平成26年度「新しい東北」先導モデル事業に選定されました。これまでの、皆様のご支援に感謝委致しますと共に、今後ともよろしくお願い致します。
詳細は別途紹介致しますが、評価委員会資料が開示されております。
会議資料の26番目にREPAが入っております。
復興庁支援期間は平成26年6月から平成27年3月迄です。
●豆腐作りの実体験・視察と勉強会 (2014年3月6、8日)
復興庁の「新しい東北」先導モデル事業の一環として、3月6日と8日に豆腐作りの実体験・視察と勉強会を行いました。6日は太子食品工業鞄光工場を訪問、豆腐作りを体験し、製造工場を視察しました。下小国からは35名、REPAからは6名が参加しました。
まず太子食品制作のビデオでひととおりのガイダンスを受け、豆腐作りでもっとも大事なのは大豆、にがり、水の選択であることを学びました。豆腐作りの体験では太子食品で作った豆乳100ccに、小スプーン1杯のにがりをいれて、左右に10回ずつ攪拌、それを電子レンジで温めると豆腐ができあがります。食べ比べをしました。味と見栄えが一人ずつ違いましたが、専門家でも同じものをつくることはできないという話でした。しかし、出来上がった豆腐は普段食べているものと比べ数段美味しく、やはり原料やにがり、水を厳選している会社であることを実感させられました。あまり美味しかったこともあり、参加者は試食後、たくさん買い物をしていました。試食後、製造ラインの簡単な説明を受けましたが、製品の品質管理を行う検査室をオープンにしているところにも、豆腐作りにかける意気込みと、確かな品質管理に裏打ちされた自信といったものも感じました。
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8日は伊達市霊山町の下小国中央集会所に太子食品工業の小谷津常務取締役をお招きし、豆腐や大豆の歴史および現在の状況などについて約2時間、お話していただきました。小谷津常務は現在の南相馬市出身で、岩手大学農学部卒業後、同社に入社、以後40年間、豆腐作りをテーマに国内外を飛び回っておられます。北海道から九州まで、国内はもとより、中国、韓国、タイ、ミャンマーのほか欧米諸国も行脚し、各国の豆腐作りの現状を視察、さらには大豆づくりやにがりの生産地発掘に尽力してこられました。特に中国とは大豆づくりと豆腐づくりを連携するさまざまな事業を立ち上げ、日中友好にも大きく貢献されています。先に視察した日光工場も小谷津常務のこれまでの活動成果を凝縮するかたちで立ち上げた国内有数の工場で、国内産大豆をもっともたくさん使用している会社です。
小谷津常務は、大変興味深い話をわかりやすく、笑いを誘いながらお話いただきました。2時間に及ぶ話からは豆腐作りにかける愛情と情熱が痛いほど伝わってきました。中でも、豆腐が各国の食文化に密接に関係していること、そして食文化を実りあるものにしていくには「豆腐の多様化」がこれからのもっとも重要なテーマであることを強調しておられました。霊山での豆腐作りには、霊山ならではのオリジナリティのあるものを「愛情と情熱」をもって作っていけば、必ず活路が開けるとの励ましの言葉をいただきました。今後、こんな豆腐がつくりたいということが決まれば、それを実現できるまで協力を惜しみませんと締めていただきました。足を運んだ約30名は惜しみなく大きな拍手を送っていました。
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●復興庁「復興支援」事業検討会 (2014年1月18日)
「新しい東北」先導モデル事業関係プロジェクトは、金融機関からの資金運用方法、養蚕小屋の改修、ビニルハウス設置の検討、下小国区民会女性部のメンバーによる地元大豆から製造した豆腐の試食会と交流などがおこなわれました。今後の計画も検討され、次回2月は霜里農場の金子美登氏の有機農業の講演、3月は豆腐製造の大手メーカーである太子食品工業株式会社の専務取締役に有機大豆や豆腐に関する講演、バイオマスのFIT関連講演などの具体的作業内容を検討しました。
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●復興庁「復興支援」事業検討会 (2013年12月7日)
復興庁「新しい東北」先導モデル事業の詳細内容・予算配分を検討しました。その後地元のシニア女子部が試作した地元産大豆から作った豆腐第一号を賞味しました。
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●復興庁「復興支援」事業説明会 (2013年11月2日)
復興庁「新しい東北」先導モデル事業の採択を受け、地元への説明会をおこないました。
11月2日(土)は下小国中央集会所で、佐藤好孝下小国区民会長、佐藤茂夫REPA代表ならびに篠田事務局長により「新しい東北」先導モデル事業の紹介をし、より多くの方々が本事業を理解し、積極的に参加して戴くよう説明しました。
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●復興庁の「新しい東北」先導モデル事業に、当協会の提案が選定されました。(2013年10月4日)!
復興庁の「新しい東北」の実現に向け、被災地で既に芽生えている先導的な取組を加速するための「新しい東北」先導モデル事業に、当協会は「食とエネルギーの循環を活用した戦略的農業ビジネス展開事業」で提案していましたが、10月4日付けで464件と多くの応募の中から選定されました。
復興庁「新しい東北」先導モデル事業選定について
これまでの霊山プロジェクトの約2年に亘る私たちの活動が評価され、実を結んだものです。大きな希望と決意をもって皆様とともにさらなる活動を進めていきたいと思います。